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【アジャイル開発支援事例】従来型からアジャイル開発 への転換:3PL ステークホルダーの協力体制の地盤構

作成者: MSOL digital|Jun 6, 2024 12:43:20 AM
ビジネスアジャイル®️

[ ロジスティック業界 ]

【アジャイル開発支援事例】従来型からアジャイル開発 への転換:3PL ステークホルダーの協力体制の地盤構築

大手運送会社

プロジェクトの転換期におけるアジャイルの導入・定着の事例をご紹介します。

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本事例は、MSOLが大手SIer様から依頼を受け、プロダクトオーナーである大手運送会社様の3PL(サードパーティー・ロジスティクス)におけるアジャイル支援を行った事例です。

プロジェクトの特徴としては、元々従来型開発で進められてきたプロジェクトをアジャイル型の開発で進める、まさに転換期におけるアジャイル支援であったことです。

転換期のなか、中途半端な理解でアジャイルを進めないことは非常に重要でした。ウォーターフォールとアジャイルのそれぞれの利点と弱点を理解し、アジャイルへ移行した結果、価値の高いプロダクト開発に成功した事例です。

アジャイルコーチ:渡会健(わたらい たけし)

  • Business Agile Dept. / Director
  • PMI日本支部 アジャイル研究会 元代表
  • IPA アジャイルWG メンバー

財閥系宇宙ソフト会社とITコンサルにてウォーターフォール+PMを約20年弱実施。2008年にアジャイルに出会ってITコンサルを辞め、アジャイルを実践するため中小SIerに入り 10年積み重ね、その後MSOLへ入社。約15年弱のアジャイル歴。

物流倉庫で働く従業員のデータや勤務シフトの管理、従業員への作業指示を行うシステムのアジャイル開発支援

支援の背景

1次開発(初期3PLの開発)においては、従来型開発で推進。2次開発(多拠点化)においても従来型開発で推進したところ、検討事項が多くプロジェクトは難航。限界を感じた大手Sierさまからプロダクトオーナー(以下POと表記)である大手運送会社様へアジャイルを提案、MSOL Digitalは大手Sier様から支援依頼を受け、アジャイルコーチとして参画しました。

プロジェクト体制・支援概要

参画時期:20206月〜11月(コロナ禍のためフルリモート支援) 支援期間:5か月(0.2人月/月)

  • プロダクトオーナーを巻き込んだアジャイル教育
    • 大手SIerが自社で保有している「アジャイルツールキット」をもとにした2週間の基礎教育を実施
  • アジャイルプロジェクト始動準備支援
    • 開発環境の整備
    • インセプションデッキの作成
    •  初期プロダクトバックログの作成
  • スクラムマスター支援
    • アジャイルプロセスの定着化
    • プロダクトオーナーのイベントへの参加
    • プロダクトオーナーとの調整支援
  • リモートアジャイル支援
    • アジャイルコーチのリモートにて実施

支援詳細

当プロジェクトでは、以下の3つのフェーズにて支援を行いました。

1stフェーズ:教育】(約2週間)

アジャイルの教育から支援をスタート。教育の元として大手SIerが保有している「アジャイルツールキット」があり、そのキットを元にした教育を2週間ほど実施しました。
この教育はアジャイルチームのみではなく、POである大手運送会社も受けていました。

2ndフェーズ:PJ始動前準備】(約3週間)

アジャイルPJを始める準備段階(スプリント0)を3週間ほど実施。
スプリント0で実施した内容としては、開発環境の整備や、インセプションデッキの作成、プロダクトバックログの初期版の作成などです。

3rdフェーズ:アジャイルPJ始動】

8月からスプリントを開始。アジャイルチームは1チーム体制、スプリント期間は1週間。この案件では、MiroRedmineなどのツールをはじめから使っていたのが特徴的でした。 MSOLはスプリントを進める中でのアジャイルイベント(会議)に参加をして、コーチングを行なっていました。

さまざまなコーチングを行いましたが、特に重要だったと考えられるものは、下記の3点です。

  • スプリントレビューはPOへの発表会ではないこと
  • レトロスペクティブにPOも参加すること
  • スプリントプランニングの2部においても、POに相談できるような環境づくり(スクラムマスターと協力し、電話が繋がる状態や時間のあるときにzoomに参加していただくことなどについてPOに合意をとった)

成果

・受注側・発注側が一つのゴールに向かって、アジャイルの勉強や認識合わせから始め、お互いの会話の大切さを理解することができた

・要件について、そのタイミングで一番必要なものから取り掛かった結果、必要なものから取り掛かれば現場が困らないことをPOに体感してもらうことができた(従来型開発の際は開発が間に合わない場合、現場が動くことができなかった)

・2拠点目以降は、1拠点目の反省を活かし改善活動を繰り返した結果、アジャイルの効果を感じ、発注側と受注側の一体感を醸成し協働する姿勢が身についた

冒頭でも述べた通り、このプロジェクトでは、ウォーターフォール・アジャイルのお互いの利点と弱点をきちんと理解し推進することで、成果を生むことのできた事例といえます。

MSOLが常々意識しているのは、プロジェクト個別の異なるカルチャーや背景を理解した上で、真にアジャイルな体制を構築するために伴走するということです。

そのためには、あるべき論だけでなく、「どうしたらお客様が実効的な成果を上げられるか」という視点が欠かせません。結果、純粋なアジャイルを続けることでなかったとしても、MSOLでは10年以上のアジャイル開発支援で得た知見から、実行的な選択肢をご提案します。

肝心なのは、中途半端な理解でアジャイルを進めたり、ウォーターフォールと混同してしまう「なんちゃってアジャイル」をやめること。それがアジャイル開発でプロジェクトを成功に導く近道です。

 

他にも多くの事例のより詳しい内容をお伝えすることができます。案件規模の大小や業種業界を問わず、また特殊な要件などの場合も、ぜひお気軽にお問い合わせ・資料請求ください。